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Data, Design and Government

Hikaru Kashida
October 11, 2023

Data, Design and Government

日本のデジタル社会実現の司令塔として、デジタル庁は政府内において、データと根拠に基づいた政策判断・効果の可視化の推進を先導する役割を担っていきます。その一環として、政策に関わるデータを「政策データダッシュボード」として公開しています。本プロジェクトを主管しているファクト&データユニット長の樫田とデザイナーの志水が政策に関わるデータを公開する意図やダッシュボードの開発プロセスを紹介します。

政策データダッシュボード: https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard

Hikaru Kashida

October 11, 2023
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  1. Data, Design 

    and Government

    2023/10/18

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  2. 2
    1. はじめに ー Introduction

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  3. 3
    Hikaru Kashida
    早稲⽥⼤学理⼯学研究科を修了後、外資系戦略コンサルティング会社やデータ分析
    専⾨会社などを経て、株式会社メルカリに参画。上場前後の成⻑戦略やプロダクト
    改善をデータ分析チームの責任者として⽀える。2022年よりデジタル庁。
    2022 ‒ 現在:⽇本政府デジタル庁 - Head of Fact & Data
    2016 ‒ 2020:株式会社メルカリ - Head of Data Analyst
    2008 ‒ 2016:外資戦略コンサル / データ分析専⾨会社 など
    Arata Shimizu
    東京都⽴⼤学修⼠課程中にデジタル福祉機器のスタートアップを経験。卒業後、⼤
    ⼿IT企業やDXコンサルティング会社で新規事業の企画やデザインに従事。Parsons
    DESIS Labで客員研究員を務め、NPO法⼈PolicyGarageの理事として活動中。
    2022 ‒ 現在:⽇本政府デジタル庁 - Product Designer
    2021 ‒ 現在:NPO法⼈PolicyGarage - Board Member
    2014 ‒ 2023:デジタル福祉機器スタートアップ/⼤⼿IT企業 / DXコンサル / ⼤学など
    1. はじめに

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  4. 4
    デジタル⼤⾂
    デジタル監
    デジタル審議官
    Fact & Data Unit
    Service Design Unit
    CPO
    CTO
    CA
    ‧‧‧
    Unit
    Unit
    Unit
    Unit
    Unit
    ⺠間専⾨⼈材
    Kashida
    Shimizu
    組織戦略G 国⺠向け
    サービスG
    共通機能G 省庁G
    Unit
    Unit
    1. はじめに

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  5. ⽬次
    1. はじめに
    2. データと⾏政

    3. 第⼀歩としてのダッシュボード
    4. デザインと⾏政
    5. ダッシュボードのデザインと開発
    6. 今後の展開
    5
    3
    6
    17
    30
    33
    44

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  6. 6
    2. データと⾏政 ー Data and Government

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  7. 7
    2. データと⾏政
    1
    2
    3
    2.1 データについてのPrinciple(原則)
    データは戦略と実⾏の⼀致をはかるもの
    データ中⼼ではなくヒト中⼼で考える
    データでできることのレベル感を意識する

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  8. 8
    1 データは戦略と実⾏の⼀致をはかるもの
    参考: 戦略と実行をつなぐデータ (Kashida, 2023 Speakerdeckより)
    Q:なぜこの考え⽅が必要か?
    A:事業や政策の最⼤の課題は「戦略が正しく実⾏されないこと」、そして「ズレを補正できずに間違った⽅向へ進んでしまうこと」だと考えるから。
    ⼀致を図る ⼀致を測る
    データ(数値)を元に
    戦略が実⾏に⼀致することを図る
    データ(数値)を元に
    実⾏が戦略に⼀致していることを測る
    戦略(理想)
    実⾏(現実)
    データ
    (数値)
    2. データと⾏政

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  9. 9
    2 Data-DrivenではなくData-Informed
    Q:なぜこの考え⽅が必要か?
    A:データは所詮、最終的にはヒトが判断するための材料のひとつ。⼈間がうまく咀嚼できる形にしないと価値が出ない。
    データ主体 ヒト主体
    参考: Data-Informed Decision Making(wikipedia)
    Data-Driven Data-Informed
    データ
    データ
    規制
    戦略
    潮流
    組織
    etc..

    意思決定
    意思決定
    2. データと⾏政

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  10. 10
    現状の把握
    分解と差異の把握
    原因の把握
    ● 現在の売上合計がわかる
    ● 過去からの売上推移がわかる
    ● 数値を分解し、どのセグメントで
    売上が⼤きく変化したのかがわかる
    ● なぜ売上が変化したかの要因がわかる
    ● 要因が変化に与えた影響度がわかる
    ● ある施策(介⼊)を⾏ったときに、
    ● 売上にどのような影響を及すかがわかる
    効果的な介⼊の⽅法が特定される
    3 データでできることのレベル感を意識する
    Lv.1
    Lv.2
    Lv.3
    Lv.4 対応⽅法の把握
    (介⼊効果)
    関係者の認識の⼀致
    状況の透明性の確保
    課題および注力点の明確化
    責任の所在の明⽰
    具体的な施策の⽴案
    説明⼒の向上
    再現性のある施策の実施
    投資等への説明責任の担保
    Q:なぜこの考え⽅が必要か?
    A:上位レベルを⾏うのは難易度が⾼い。状況にあったレベルから着実に積み上げないとデータ活⽤は失敗する。
    2. データと⾏政

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  11. 11
    2.2 政府におけるデータ活⽤(EBPM)
    ● 政府とEBPM(Evidence Based Policy Making)
    ● 政府の活動の難しさ
    ● 我々は何から始めるべきなのか
    2. データと⾏政

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  12. 12
    デジタル社会の実現に向けた重点計画 (2023.6.9閣議決定)*1
    *1 https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program(デジタル庁 HP)
    政府は “EBPM” を推進していく
    誰⼀⼈取り残されないデジタル社会の実現に向けた上記
    の各取組の実効性を確保するため、デジタル化による利
    便性向上や利活⽤の実態等をできる限り可視化するとと
    もに、EBPM(Evidence Based Policy Making)の考
    え⽅に基づき定量的な費⽤対効果の測定⽅法等を検討
    し、適時適切に不断の⾒直しを⾏う。
    2. データと⾏政

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  13. 出典 EBPMに関する定義
    内閣府 *1
    EBPM(証拠に基づく政策立案)とは、政策の企画をその場限りのエ
    ピソードに頼るのではなく、
    政策目的を明確化したうえで合理的根拠
    (エビデンス)に基づくものとすること
    です。
    経済産業研究所 *2
    個々の政策に実質的な
    効果があるかどうかを可能な限り厳密に検証
    して、実質的な効果があるという証拠があるものを優先的に実施しよ
    うとする態度
    厚生労働省 *3
    (EBPMでは)以下の3つが明示されていることが重要
    ① 政策立案の前提となる事実認識
    ② 立案された政策とその効果を結びつけるロジック
    ③ 政策のコストと効果の関係
    *1 内閣府 EBPMの概要(内閣府HP) *2 RIETI EBPMとはなにか(独立行政法人経済産業研究所 HP) *3 厚生労働省 EBPMの取組みの概要 (厚生労働省)
    Lv.2 Lv.3 Lv.4
    Lv.4
    Lv.1 Lv.2 Lv.3 Lv.4
    Lv.1
    Lv.2 Lv.3
    Lv.1
    「EBPM」の扱う範囲は解釈に幅がある
    13
    2. データと⾏政

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  14. 活動
    Activities
    結果
    Output
    成果
    Outcome
    社会的な影響
    Impact
    実際のアクションと求められる効果に常に距離がある
    (例)
    デジタル環境の整備
    ・マイナンバーカードを社会に普及させる
    ・デジタル手続きができる場所を増やす
    ・ICT教育を推進する
    (例)
    デジタルの活用
    ・オンライン申請が増える
    ・ICT教育を取り入れる学校が増える
    (例)
    ポジティブな効果
    ・手続きに使う手間の短縮
    ・教育の質の向上/
    教員の時間の使い方の変化
    14
    活動
    Activities
    結果
    Output
    成果
    Outcome
    社会的な影響
    Impact
    ⾏政が主に介⼊する範囲 最終的に期待されること
    Q:なぜこの理解が必要か?
    A:この構図が政策運営の難しさの⼀部の要因となっている。この構造を踏まえ、データの価値を適応していく領域を整理する必要がある。
    2. データと⾏政

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  15. 活動
    Activities
    結果
    Output
    成果
    Outcome
    社会的な影響
    Impact
    データによって、政策運営に伴う難しさを解決しうる
    15
    難しい点 ① 時間軸と範囲の⼤きさ
    1
    難しい点 ① 因果関係の遠さ
    2
    難しい点 ① 効果を問われる
    3
       前提を整えるだけで長い時間がかかる
       本当に良い影響を起こすかが明示的でない
    進捗状況を正しくモニタリング・開示 (解決タイプ1)
    因果の検証・証明 (解決タイプ2)
       効果は活動の費用に対して妥当だったのか? 経済効果などの妥当な効果数値に換算 (解決タイプ3)
    1
    2
    3
    ⾏政のプロジェクトの難しい点 データの⼒による解決の⽅法(3つのタイプ)
    2. データと⾏政

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  16. 16
    という状況の中で....
    我々は何から始めるべきか
    2. データと⾏政

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  17. 17
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード
    ー Dashboards as a first step

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  18. 18
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード
    マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード マイナンバーカードの利活⽤に関するダッシュボード
    ⾃治体での⼦育て‧介護関係の26⼿続の
    オンライン化に関するダッシュボード
    アナログ規制⾒直しに関するダッシュボード
    政策データダッシュボードプロジェクト 2022-

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  19. 19
    1
    2
    3
    データについてのPrinciple(原則)
    データは戦略と実⾏の⼀致をはかるもの
    データ中⼼ではなくヒト中⼼で考える
    データでできることのレベル感を意識する


    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  20. 20
    あえて、最もベースラインとなるところから始めることとした。
    まず最初は⾼度でなくとも、シンプルなデータで良いのでまずは始めて⾒ること(原則❸)
    データによって、政府の取組が関係者の誰からでもわかりやすい形で伝わること(原則❷)
    状況が可視化され、計画(戦略)が正しく実⾏‧進捗しているのかを、みんなが知れること(原則❶)
    基礎的だが、これまでの政府が必ずしも徹底できていなかったことをやる。
    政策ダッシュボードのプロジェクトの構想
    政策の進捗をわかりやすい形でモニタリングできる
    データダッシュボードを作り、誰でも⾒れるように公開することとした。
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  21. 21
    Gov.uk
    climate change
    イギリス‧GOV.UK
    Singapore
    Department of Statistics
    シンガポール‧通商産業省
    GSA Data
    to Decisions: D2D
    アメリカ合衆国‧⽶連邦政府⼀般調達局
    英国気候変動統計ポータルは、気候変動に関わる
    6つの指標を公開しています。政策⽴案者や市⺠
    は、英国の気候変動、温室効果ガス排出量、排出
    量と国際貿易の関係について知ることができます
    シンガポール通商産業省は、データの提供や可視
    化など、意思決定を⽀援する統計サービスを提供
    しています。公的機関、⼀般市⺠などの幅広い関
    係者によって、様々な⽬的のための重要な情報と
    して使⽤されています。
    ⽶連邦政府⼀般調達局は、政府機関職員がデータ
    に基づく意思決定をするため、連邦政府のオープ
    ンデータ、コロナ関連、不動産登記関連等の幅広
    いデータと、分析‧活⽤のために必要な機能を提
    供しています。
    参考:Singapore Department of Statistics‧GSA Data to Decisions: D2D‧Gov.uk climate change
    各政府も政策のデータによる⾒える化を推進
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  22. Principleに沿って考える(最初の着⼿領域の選定)
    22
    活動
    Activities
    結果
    Output
    成果
    Outcome
    成果を出すための前提を整える領域に注⼒
    状況を見える化し、愚直に進捗をきちんと追いかけていくことが重要
    サービスを受けられる
    対象者を増やす
    例)マイナンバーカードの交付数
    利用シーンを増やす
    例)自治体のオンライン手続き
    使いやすさ
    前提となる条件(法令・規制)
    例)デジタル化を阻害するアナログ規制 *1
    サービスの
    利用が増える
    例)マイナンバーカードを
    用いた各種の行政手続きなど
    *1 アナログ規制見直しの取り組み (デジタル庁 HP)
    実際の
    社会インパクト
    最初に注⼒する領域
    principle❸ レベル感を意識する
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  23. 23
    フォーマットの課題
    (Excel / PDFでの公開)
    更新性
    情報設計
    指標設計の課題
    直感的に伝わるデザイン
    principle❷ ヒト中⼼で考える
    これまでの政府 政策ダッシュボードの設計思想
    参考: 自治体での子育て・介護関係の 26手続のオンライン化取組状況に関するダッシュボード (デジタル庁 HP)
    Principleに沿って考える(設計の中⼼思想)
    現状の進捗と課題をわかりやすく
    principle❶ 戦略と実⾏の⼀致をはかる
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  24. 24
    2022/12
    2022/8 2023/3 2023/9
    デジタル庁内で試験的に
    ダッシュボードを公開
    最初のダッシュボードを
    ウェブサイトで⼀般公開
    (マイナンバーカード普及ダッシュボード)
    参考:マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ (第8回, 2023/3/29 開催)
    デジタル庁主催の外部会議 *1 にて、
    政策データの定期的な
    モニタリングの必要性を提⾔
    3つのダッシュボードを
    同時に公開
    (規制⾒直し‧⾃治体の取り組みなど)
    政策データダッシュボードプロジェクト 2022-
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  25. 25
    マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード マイナンバーカードの利活⽤に関するダッシュボード
    ⾃治体での⼦育て‧介護関係の26⼿続の
    オンライン化に関するダッシュボード
    アナログ規制⾒直しに関するダッシュボード
    政策データダッシュボードプロジェクト 2022-


    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  26. 26
    政策の進捗が可視化される素晴らしい
    取り組み。今までの霞が関では躊躇し
    てしまうことも、⺠間が混ざることで
    新しい⽂化が⽣まれることは良いこと
    わかりやすい&おもしろいな。アナロ
    グ規制⾒直し対象の条項って1万件弱
    もあるのね。
    数千規模の条項の改正合理化を進めて
    いるのも知らなかったけど素晴らし。
    これはスゴイ。わかりやすい。
    そして、東京都の⼦育て‧介護関係の
    ⼿続オンライン化の取り組み状況が関
    東県内で下から2番⽬の約30%という
    のは驚き。
    住⺠や関係者の皆さんから⾊々なデー
    タを求められるので、提⽰する際に活
    ⽤させて頂いてます。まとめてくれる
    のとてもありがたいです。
    代議⼠
    国⺠
    国⺠
    ⾃治体職員
    課題と現状のわかりやすい⾒える化に好感の声が多い
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  27. 27
    これは素敵。可視化はとても必要で重
    要だと思うし、施策⽴案〜決議経緯〜
    予算消化状況〜効果確認まで⼀気通貫
    で⾒れるようなダッシュボードも欲し
    い。
    デジタル庁の政策進捗や⾏政サービス
    の利⽤実績に関するダッシュボード
    (中略)
    〇〇区でもこういうのあったら⾊々⾏
    政に関⼼をもってもらえそうです
    元⾏政の⾝としては嬉しい取り組み!
    データを知れると⼈の⾏動が変わりそ
    う。⽬に⾒えてなかったものをわかり
    やすく可視化して物事を動かす⼒がデ
    ザインにはあるのだよなと感じた。
    こういった、完了まで確実に追う姿勢
    を各⽅⾯に展開してほしいです。
    予算の使い⽅とかもすべて。
    国⺠
    元⾏政職員
    区議会議員
    国⺠
    課題と現状のわかりやすい⾒える化に好感の声が多い
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  28. 28
    データダッシュボード
    (基礎的な数値のモニタリング)
    政府の
    透明性の担保
    関係者間での
    課題‧⽬的達成
    意識の共有
    政策への
    興味喚起
    より⾼度な
    データ活⽤への
    意識醸成
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  29. 3つのPrincipleを守りながら

    取り組みを広げていく

    29
    3. 第⼀歩としてのダッシュボード

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  30. 30
    4. デザインと⾏政 ー Design and Government

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  31. 31
    Hikaru Kashida
    早稲⽥⼤学理⼯学研究科を修了後、外資系戦略コンサルティング会社やデータ分析
    専⾨会社などを経て、株式会社メルカリに参画。上場前後の成⻑戦略やプロダクト
    改善をデータ分析チームの責任者として⽀える。2022年よりデジタル庁。
    2022 ‒ 現在:⽇本政府デジタル庁 - Head of Fact & Data
    2016 ‒ 2020:株式会社メルカリ - Head of Data Analyst
    2008 ‒ 2016:外資戦略コンサル / データ分析専⾨会社 など
    Arata Shimizu
    東京都⽴⼤学修⼠課程中にデジタル福祉機器のスタートアップを経験。卒業後、⼤
    ⼿IT企業やDXコンサルティング会社で新規事業の企画やデザインに従事。Parsons
    DESIS Labで客員研究員を務め、NPO法⼈PolicyGarageの理事として活動中。
    2022 ‒ 現在:⽇本政府デジタル庁 - Product Designer
    2021 ‒ 現在:NPO法⼈PolicyGarage - Board Member
    2014 ‒ 2023:デジタル福祉機器スタートアップ/⼤⼿IT企業 / DXコンサル / ⼤学など
    1. はじめに

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  32. 32
    4. デザインと⾏政
    デザインの対象は国⺠の体験から政策まで
    国⺠
    政府
    国⺠が触れる部分のデザイン
    ⾏政サービスのデザイン
    政策のデザイン
    デジタルプロダクト‧コミュニケーション
    体験‧業務‧システム
    政策‧法律‧制度
    ⺠間出⾝⼈材
    ⾏政出⾝⼈材

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  33. 33
    デザインの対象は国⺠の体験から政策まで
    国⺠が触れる部分のデザイン ⾏政サービスのデザイン 政策のデザイン
    マイナポータル実証版
    マイナポータルでは、体験を⾒直し、⼀部機能や画
    ⾯から実証ベータ版として提供しています。公⾦受
    取⼝座の登録や健康保険証との紐付け状況を簡単に
    確認できます。また、医療費の記録を簡単にふりか
    えったり、お住まいの⾃治体の⼿続きを知ることが
    できます。
    Visit Japan Web
    ⼊国⼿続き「検疫」、「⼊国審査」、「税関申
    告」、「免税購⼊」をウェブで⾏うことができる
    サービスです。海外から⼊国される⽅のほか、⽇本
    に帰国される⽅もご利⽤頂くことができます。
    Oslo City Bike
    オスロ市内を移動する最も効率的な⽅法は⾃転⾞で
    す。短距離の移動や公共交通機関の補助として利⽤
    されています。オスロ市では約10万⼈がシティサイ
    クルを利⽤しており、2018年には270万⼈以上が⾃
    転⾞で移動しています。*1
    *1 https://oslobysykkel.no/en/about(Oslo City Bike)
    4. デザインと⾏政

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  34. 34
    5. ダッシュボードのデザインと開発
    ー Dashboard design and development

    View Slide

  35. 35
    5. ダッシュボードのデザインと開発
    Fact & Data Team
    マーケティング 担当原課 関係省庁
    ディレクター
    デザイナー データエンジニア
    PM
    ⾏政官 ⾏政官
    広報担当
    約3 - 4ヶ⽉でダッシュボードを設計開発
    データの収集‧整備‧ダッシュボードの設計‧機能開発
    コミュニケーション設計‧デジタル庁内外の関係者との調整までを⼀括して⾏う

    View Slide

  36. 36
    理想的な状態から関係者と議論を重ね、
    現実解に落とし込む
    データ収集&
    ヒアリング
    データの整備
    要件整理
    理想の設計
    関係者と
    擦り合わせ
    専⾨家
    レビュー
    デザインを
    最終化
    ダッシュボード
    の開発
    リリース
    理想 現実解
    多様な専⾨家との
    改善のサイクル
    こんな感じ? ソウゾウ
    5. ダッシュボードのデザインと開発

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  37. 37
    5. ダッシュボードのデザインと開発

    View Slide

  38. 38
    5. ダッシュボードのデザインと開発

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  39. 39
    5. ダッシュボードのデザインと開発

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  40. 40
    5. ダッシュボードのデザインと開発

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  41. 41
    ダッシュボードにおけるデザイン⽅針
    ● ⼀般の⽅も専⾨家もわかりやすい情報設計
    ● ユーザビリティとウェブアクセシビリティへの配慮
    ● 誰でもつくれる再現性のある設計
    5. ダッシュボードのデザインと開発

    View Slide

  42. 42
    ⼀般の⽅も専⾨家もわかりやすい情報設計
    全体感を把握するための
    シングルナンバー
    シンプルに保つための
    データ‧インク⽐
    データは基本的に「全体」から 「そのサブセット(場所別‧属性別等)」と流
    れる。例えば「⽇本の全体⼈⼝」→ 「地域別の⼈⼝」「男⼥別の⼈⼝」という
    ふうに情報がブレークダウンされていくのが⼀般的である。⾒る⼈が全体とし
    ての数値を⾒失わないようにするために、全体に関わる情報をシングルナン
    バーとして配置する。
    データ‧インク⽐を⾼くすること。重要なメッセージへのフォーカスを⾼める
    ために、不必要な情報や付加価値のない要素をすべてビジュアライゼーション
    から取り除くことで、コンテンツの内容を理解してもらうのを容易にする。
    Less is moreの考え⽅と同じく、引き算で情報設計を⾏う。
    5. ダッシュボードのデザインと開発

    View Slide

  43. 43
    ユーザビリティとウェブアクセシビリティへの配慮
    概要版と
    詳細版の配置
    デザインシステムに準拠した
    カラーパレット
    スクリーンリーダーによる
    読み上げ順の設定
    マルチデバイスで公開しているダッシュボードや
    データが⾒られることを考慮する。情報量が多く、
    操作が必要になるダッシュボードの場合でもスマホ
    ユーザーが情報にアクセスできるように概要版を⽤
    意する。
    デジタル庁で公開されているデザインシステムのカ
    ラーパレットに準拠してチャートを配⾊。
    ※今後も、⾊覚多様性の⽅への配慮やコントラスト
    ⽐の調整などで視認性を⾼めることが必要。
    視覚障がいの⽅のために、ダッシュボードの情報に
    アクセスするための代替⼿段を提供する。エクセル
    データの提供やスクリーンリーダーで読み上げても
    情報が理解できるように設定する。画像の場合は、
    ALT(画像の代わりとなるテキスト情報)を追加す
    る。
    5. ダッシュボードのデザインと開発

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    誰でもつくれる再現性のある設計
    柔軟性のあるレイアウト構造 ⽬的毎のチャートサンプル
    コンテンツに応じて、1〜6カラムで⾃由に構成できるレイアウト構造。コンテ
    ンツエリアは20ブロックに分割されており、設計者はガイドに沿ってレイアウ
    トを検討することができる。
    チャートサンプルやスタイルガイド、コンポーネントなど、ダッシュボード作
    成に必要な素材をテンプレートとして⽤意。グラフの平仄や判例のルールや配
    ⾊など、チャート作りに必要な要素を整えている。
    5. ダッシュボードのデザインと開発

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    6. 今後の展望
    ー Data, Design and Government

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    今後の展開
    ● ⾏政のデータを⾒せる‧⾒る‧追うことで
    政策⽴案に良い影響を与える
    ● ダッシュボードのためのデザインシステムを公開
    ● データとデザインの関係を次のステップへ
    6. 今後の展望

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    ⾏政のデータを⾒せる‧⾒る‧追うことで
    政策⽴案に良い影響を与える
    戦略
    規制
    データ
    潮流
    組織
    etc..

    政策⽴案
    6. 今後の展望

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    ダッシュボードのためのデザインシステムを公開
    デジタル庁のデータ公開
    ダッシュボードのための
    デザインシステム
    他組織のデータ公開
    設計開発中
    6. 今後の展望

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    データとデザインの関係を次のステップへ
    STEP
    1
 STEP
    2

    データを誰でも
    わかるように伝える
    データとファクトの
    両輪による課題の深掘り
    STEP
    3

    PDCAサイクルの
    スピードと正確性を⾼める
    6. 今後の展望

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  50. View Slide